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【解説】
(1)の解説通りです。
患者とは医師に診察してもらう存在ですから、「夫妻」と同じ成り立ちですね。
残りの選択肢も片付けてしまいましょう。
まず「看護師-看護婦」は対義語のペアではなく、包含関係(あるいは包摂関係)のペアです。看護師は男女どちらも含みますが、看護婦は女性のみです。男性の看護師が多くいる現代の事情を反映して名称が正式に変わったわけです。「女医」のように「~であるが女である」ことを示すような名称はさほど遠くないうちに、フォーマルな場での日本語としては適切でなくなるでしょう。ただし「女主人公(ヒロイン)」のように、女性を貶める意図がなく、説明で用いられる場合もあり、PC (Political Correctness)という概念だけではあらゆる語を一刀両断にはできないようです。
次は「社長-部下」です。上司と部下ではないことに気をつけてください。というのは、日本には「一人会社」と呼ばれる、社長一人の会社がおびただしい数、存在しているからです(厳密には個人事業でも法人化していないところもあるので、個人事業主と社長とは類義ですが同義ではありません)。つまり「社長-部下」は文脈において対義語ペアになりうる語というだけのことです。
3の「兄-姉」はきょうだいの中の年長者という共通項があり、性別の違いで対義関係が成立しているものです。また兄は弟か妹あってこそ、姉も弟か妹あってこそなので、これは4項の対立の中の2ペアと考えるべき組み合わせです。