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【解説】
「ごんべん」の漢字が5つ、並んでいます。
この5つはいずれも左右に分けることができます。この何かと何かを足して一字にした漢字のほとんどは、片方が漢字の意味が属するカテゴリーを示し(たとえば「にんべん」なら人カテゴリー、「さんずい」なら水カテゴリー)、もう片方が漢字の音を示します。これを「形声文字」と呼ぶのは学校で習った方も多いでしょう。
この知識を踏まえて漢字を見ていくと、全部「ごんべん」なので「言葉カテゴリー」なのは良いとして、右側を見ていくと「義・方・呉・忍・十」と単独で漢字になるものばかりです。
では、この5つを音読みにしてみましょう。
・義は「ぎ」で、ごんべんが付いた「議」も同じ読み方
・方は「ほう」で、ごんべんが付いた「訪」も同じ読み方
・呉は「ご」で、ごんべんが付いた「誤」も同じ読み方
・義は「ぎ」で、ごんべんが付いた「議」も同じ読み方
ところが、
・十は「じゅう」ですが、ごんべんが付いた「計」は「けい」である
ことから、これが「仲間はずれ」とわかります。
つまり「計」は形声文字ではないことになります。
「ごんべん」は元々、「山」「川」と同じ象形文字でした(非漢字圏の学習者が最初に興味を持つ、アレですね)。で、右の「十」は「一がたくさんある」ことを示したそうですが(なぜ縦棒が付くと"たくさん"なのか、わたしはわかりません。厚切りジェイソン先生と同じです why Japanese people?)、このように
・漢字を構成する点や線が、数や位置といった抽象概念を表している字
を「指事文字」と呼びます。"コトを指す字"ですね。指示じゃないので(変換するとこれが最初にでますので)気をつけてください。
【参考】
『日本語教育のスタートライン』pp. 58-63