4
【解説】
方言のアクセントは悟性というより感覚や習熟の問題なので、標準語アクセントの話者にはわかりにくいかもしれません。しかしそれはそれぞれの方言話者も、別の方言においては同じ壁を感じるので、ハンディキャップは同じです。記述をじっくり見て、勉強していきましょう。
まず1ですが、検定対策などでは、標準語のアクセントの大法則として「1拍目が高ければ2拍目は低い、1拍目が低ければ2拍目は高い」というのを習います。たとえば「ニジ」という語であれば前者は「二時」、後者は「虹」ですね。
ところが、京阪式アクセントを持つ近畿方言の場合、1拍目も2拍目も高い、つまり高高で始まる名詞があります。「英語辞典(えいごじてん)」を仮に高=●、低=○でしめすと「●●●●'○○」となります。「エイ」の2拍目「イ」を下げずにそのまま言ってみてください。
次の2ですが、標準語も含め、1語に複数のアクセント型を持つ名詞は珍しくありません。音声上の「ゆれ」であり、観察可能な言語変化とみることができます。
3ですが、名詞のアクセント型の種類数は、方言間で異なりますから、適当ではありません。たとえば東京方言では、拍の数より1つ多いアクセント型があります。2拍の語であれば平板型も含め、3つです(多型アクセント)。一方、語の長さとは関係なく、アクセントの方が~種類ですよ、と決まっている(N型アクセント)地域もあります。たとえば鹿児島方言は2種類しかアクセント型がないので二型アクセントです。
というわけで正解は4です。南東北から北関東の広い地域が無アクセントであり、最も有名なのは福島県で、ほぼ全県が無アクセント地帯です。
以上で3-Aの解説を終わります。