2020/01/22

042)平成30年度 試験I  問題3-20)日本語内部における変化

【こたえ】
 1

【解説】
 「日本語内部」の「内部」に気をつけてください。これは外来語による変化ではないこと、くらいの意味で、使い手と関係なく言語が変化したという意味ではありません。言語は自律的なふるまいをするように見えても、結局それを変えるのは個々の使い手であり、使い手なしに変化することはありえないからです。この問題は「外圧による変化とは違う変化」を示すと考えられます。

 敬語が相対性を持って使われるようになったという1、これが正しい記述です。特に戦後は、どの場でその敬語を使うのかがより考えられるようになったからです。父親を「お父様」ではなく「パパ」と呼ぶのは敬意性としては逓減していますから、「外圧」っぽいのですが、これは結果であって原因ではないですね。

 残りの間違いの選択肢はどうでしょうか?
 2ですが、もともとの和語ではラ行で始まることばはごく少なく、オノマトペの「らんらん」、それと国文法における助動詞(らし)、接尾語(子ら)程度です。つまり、ラ行で始まることばは外来語なので、内部的な変化ではありません。
 3ですが、日本語がもともと基本的に、音節はV(母音)か CV(子音+母音)なので(これを開音節言語)と言います。漢字語を音読みする外来語(漢語)によって閉音節系の、つまり特殊拍を使う語が増えたので、これも外的な波をこうむった結果です。
 4は3の説明のようなもので、自明です。

 以上で問題3の解説を終わります。

【参考】
日本語教育のスタートライン』 pp. 140-141

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