2020/01/15

022)平成30年度 試験I  問題2(4)たいてい

【こたえ】
 3

【解説】
 一見すると難しいのですが、実は形式から解くことができます。
 問題文の「たいてい」の後には「8割」という名詞が来ています。個々に目をつけると、
選択肢の1も「1時間」という名詞、2も「全員」という名詞、4も「何グラム」という名詞ですが、3のみは「忘れてしまう」という動詞が来ています。深く考えずに正解を出すことができますが、もう少し詰めていきましょう。
 
 問題文の「たいてい8割くらい残す」は「たいてい」を何と間違ったのかということです。「たいてい」は"一定の時の中でそのことを頻度がかなり大きい"ということです。
 しかし8割というのは頻度ではなく、数量の割合ですから、音的に似たものと間違えたという仮定で「だいたい」が浮かびます。だいたい8割・だいたい1時間・だいたい何グラム、であれば、それぞれ意味が通ります。

 では正解の3はどのような誤用なのでしょうか。
 これは頻度を示す副詞の「たいてい」「よく」を両方使ってしまった誤用です。大まかに言うと「たいてい」は普通そうする (usually) に相当し、「よく」は、しばしばそうすることがある (often) に相当します。つまり「よく」は「たいてい」より頻度が落ちるわけです。

 主な頻度副詞の頻度順は、以下のとおりです。確認しておきましょう。
1. いつも・つねに
2. たいてい・ふつう
3. よく・しばしば
4. ときどき・ときおり
5. たまに
6. あまり~ない
7. めったに~ない
8. ぜんぜん~ない

【参考】
日本語教育のスタートライン』pp. 103-104

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