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【解説】
この問題文は、どのような誤用なのでしょうか?
さっと読み飛ばすとわからないのですが、「買い物に行く前に」と格助詞の「に」をつける必要があります。
どうして必要なのかというと、「買い物に行く前」なら、行く前の時間のすべてが入ることになります。たとえば「買い物に行く前、私はその店が水曜定休であると知らなかった。」のような文ならOKですね。
ところが問題文では、後件が、「洗濯を終わらせる」という用事(できごとやイベント)を述べているので、イベントの常として、「それをいつ行なうか」を決めなくてはならないのです。するとたとえば「月曜日に」「5時半に」といった、時を定める格助詞「に」が必要になるわけです。
この考え方でいくと、1は「私の両親に会う」3は「薬を飲む」、4は「結論を出す」という用事がそれぞれ後件なので、これらにも「に」が必要です。
ところが2の「おとなしくしている」は用事ではなく、そうあるという状態なので、この場合は「前」というより「まで(は)」の方が適切になるので、上の3つとは異なる誤用になります。
副詞に格助詞「に」がつくかつかないかで意味が変わってくる例としては「まで・までに」「いま・いまに」があります。それぞれ以下の(1)~(4)で確認してください。
(1)5時まで、この教室にいてください。(今から5時までずっと)
(2)5時までに、この教室を出てください。(今から5時までのある時の一点において)
(3)いま、龍馬くんは剣術の修行中です。(今現在のこと)
(4)いまに、龍馬くんは日本を動かす人になるだろう。(未来のこと)
以上で問題2の解説を終わります。
おつかれさまでした。ご愛読ありがとうございます☆
【参考】
『日本語教育のスタートライン』pp. 108