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【解説】
応答詞というのは、品詞で言うと「間投詞」の下位グループのことばで
・相手が言ったことに反応したり答えたりすることば
のことです。「はい、うん」といった肯定的応答詞と「いいえ、いや」のような否定的応答詞があることはわかりますね。ただ、応答詞なしでは肯定・否定ができないかというとそんなことはなく、ジェスチャーなどの非言語コミュニケーションでも肯否はわかりますし、沈黙がしばしば否定であることはご経験のとおりです。なかには
ーお弁当におはし付けますか?
ーあ、大丈夫です。
のように応答詞に代わることばもありますね。
さて問題ですが、応答詞「はい」の機能は4つあり、ここではそのうちの2つが出ています。まずは
①「あなたの依頼や命令がわかりました。だから従います」
これは相手が「お願いします/~ください/~しないでください」またはそれに類する表現の後で言う「はい」です。
後続する語を補うのであれば「はい、わかりました」になりますね。英語で考えるならば依頼や命令に対するYes, sir/ma'am.のイエスに相当します。
実際、選択肢の1と5は「お願いします」2と3は「ください」なので、これらは同じ意味です。ですから正答は4ということになります。
4の「はい」は以下の意味です。
②「あなたの言っていることは正しいです」
単純に「はい、そうです」の「はい」です。Yes, it is. に代表されるものですね。
では残りの2つも抑えておきましょう。先に向けての勉強です。
③「あなたの言うことを聞いています」
例は以下のような感じです。
ーで、花薗さんと沖縄に行ったんだけどぉ、
ーはい。
つまり、あいづちの「はい」ですね。これは英語の yes にはない用法なので、しばしば英語圏の人は混乱するようです。
そして最後
④「はい、どうぞ」「はい、聞いてね」
これは相手の注意を促すときの「はい」です。以下の例を見てください。
ーあれ? 定期いれ持ったかな?
ーはい。(と、手渡す)
英語なら Here you are. Here it is. に相当します。
【参考】
『日本語教育のスタートライン』pp. 97-98