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【解説】
一読しただけでは、何を問うているのかわかりにくいですね。
・対義語同士の品詞の関係は単純ではない
ことを最もよく示している文を選びなさい、ということです。ということは、
A.「言語学的に正しい文」であっても、上の条件に合わなければダメ
という選択肢もあれば
B.「言語学的に正しくない文」なのでそもそもダメ
という選択肢もあることになります。こういう二重のわかりにくさを孕んだ問題は、あまり検定の出題として適切とは言えません(ところが結構多いのです)。
では上記を頭に置いて、ひとつずつ見ていきます。
まず1、「違う」の対義語は動詞である、ですが、対義語は「同じ」ですから、これは上の例でいくとBになります。
次は2、「間に合う」の対義語は動詞ではない、ですが、対義語はもちろん「遅れる」で動詞、ですからこれもBになります。
さらに3、「嫌い」の対義語はイ形容詞である、ですが、ご存知の通り「好き(な)」でナ形容詞ですから、これもBです。これなら「言語学的に正しい文を選べ」のほうが、出題の文言としてははるかに適切なはずです。
正解は4、「若い」の対義語はイ形容詞ではない、ですが、「年取った、老年の、年老いた」などがあり、確かにイ形容詞ではありませんから正解ですが、反義関係が単純でないことを示すのであれば、「若い」には対応する反義語がない、と書いたほうが適切かと思います。
…作問者の努力は買えるものの、控えめに言っても、これは「残念な問題」です。