【こたえ】
1【解説】
検定の実施団体であるJEESの例題に出てきた、オーディオ・リンガル・メソッド (ALM)がここでも出題されています。
ALMは先生のあとについてリピートしたり、ちょっと文を変えて言ったりする、いわゆるドリルを鬼のようにやれば正しい文を言うことがもはや習慣となり、結果としてしゃべれるようになる、という信念にもとづく指導法です。このドリルの練習をパターン・プラクティス(業界の人はよくパタプラなどと言います。パタリロじゃないよ)と呼びます。
以上の知識を踏まえて(パタリロを除く)選択肢をチェックします。
1が正解で、これはパターン・プラクティスの基本の流れです。学校の英語の授業でも、全員が先生の後についてから(コーラス・リーディングですね)、一人ずつが指名されていたと思います。
2は不適切で、ALMの場合、間違いを放置せず(間違いを「習慣」にしないため)、正しい文を徹底して練習します。
3も適切ではありません。初級ではあくまで口頭での繰り返しやドリルが重視されます。教授法の名の通り「オーディオ」とは「耳による、聴覚の」ですから、ALMの推進者たちは書く指導のことは考えていませんでした。
4はちょっと正解っぽいですね。というのは学習者どうしで練習すると、間違った文が習慣化しそうだからです。でもペアで練習しないと口頭練習の機会が少なくなるので、ALMでのペア練習は基本、自由な発話などはなく、決まった対話などを一字一句変えずに、暗記するまで繰り返します。
【解説】
『日本語教育のスタートライン』pp. 436-437
『日本語教育のミカタ』 pp. 120-123