3
【解説】
これは語形成に関する特別な知識がなくても解けますね。むしろ、個々の語の意味を知っているかどうかがポイントになります。
1のスタメンは「スターティング・メンバー」で、前件の語と後件の語の2字分を取って造語したものです。外来語のこうした縮約は4拍が好まれることが多いようです。
2は「アカデミック・ハラスメント」で、ハラスメント系を「Xハラ」とするのはセクハラ、パワハラなどだいぶ広まってきた印象です。
4は「リモート・コントローラー」で、もはや元の語が意識しにくいほどに根づいています(多くの人は「リモート・コントロール」と答えそうです)。ちなみに「コン」の省略による縮約は「パソコン(コンピューター)」「ファザコン(コンプレックス、ただし英語は the Electra complex)」など数多く見られます。
5は「プロフェッショナル・レスリング」で、プロフェッショナルの縮約「プロ」は日本語の接辞になっており、「プロ集団」など混種語も観察できます。さらに言うとプロレス大好きな女子は「プ女子」と呼ばれるそうで、縮約がさらに進みました。これはいわゆる「腐女子」からの連想を受けているのでしょう。
で、例外は3の「エアロビ」で、ご存じのとおり「エアロビクス」の一語の縮約ですので、こちらが「仲間はずれ」です。
今回は外来語の縮約でしたが、本来的に日本語で多いのは「都響(=東京都交響楽団)」のような漢字の縮訳語で、出題もありそうです。「東フィル(=東京フィルハーモニー)」のような混種語もあります。さらに英語の IT (Information Technology), CIA
(Central Intelligence Agency) などは特に頭文字語(アクロニム)と呼ばれます。
【参考】
『日本語教育のスタートライン』pp. 33-36