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【解説】
対立というのは構造言語学のことばで、もっと言えば西欧哲学の概念である二分法、A-non A という基本的なものごとの分析に使う道具立てです。
選択肢のなかですぐ排除できるのが4の「時制」です。くれる-やるのペアが過去-非過去の関係でないことは明白です。続いて3の「相」は、これがアスペクトの訳語であることがわかれば排除できます。アスペクトと時制(テンス)の違いは下の参考を読んでください。
1は何がいいたいか謎です。神経心理学などでは知能指数を言語的IQと動作性IQに分けてより細かく測定するのですが、「やる」「くれる」はいずれも動作動詞なので、そのへんと用語を引っかけようとしたのでしょうか?
で、正解は2です。「やる」は to give のぞんざいな言い方で、自分の視点から他者(猫なども含みますニャン)へモノが移動しますが、「くれる」は give me/us を示すもので、ソトの人から自分または身内へモノが移動する意味です。つまり、話者の視点によって出てくるペアということになります。
【参考】
『日本語教育のスタートライン』 pp. 140-141