【こたえ】
2【解説】
用語の知識を問う問題です。知っていることば、聞いたことはあることばはどれでしょうか?
最も有名なのは4の「ディクテーション」でしょうか。聞いた音を文字にして書くものですね。単語のレベルのもの、文を書くものといろいろですが、要は 聞く→書く の作業ですから、コミュニケーション能力の養成からは遠そうです。ちなみにディクテーションの進化形(ポケモンかよ)にディクトグロスがあり、こちらは聞いたことをメモして、あとでペアやグループで話し合いながら内容を復元するという活動で、従来のディクテーションの欠点をカバーするものです。今後の必須用語になりそうですし、国際交流基金日本語国際センターが良い紹介記事を載せています。
3のフォローアップ・インタビューは「インタビュー」という名前なので、ついペアでのやりとりなどを想像してしまいますが、これは引っ掛け (a trap question)ですね・フォローアップ・インタビューは研究の方法のひとつで、実験などをしたあとに被験者にその内容ややり方などについて改めて訊く活動のことです。
1のラポート・トーク。Rapport は1語の場合、フランス語の音を文字にして「ラポール」ですが、トークがつくと英語音を文字にして「ラポート」、日本語の融通無碍な音と文字の対応関係が良く出ています。で、意味ですがこれも練習方法ではなく、相手との調和を重視した、心のつながりのある話し方のことです。
アメリカでベストセラーになったTannen (1990) You Just Don't Understand! では女性のサポート・トークに対して男性のレポート・トーク(社会的な立場を意識した話し方)が示されています。
正解は2のシナリオプレイで、これはある脚本をそのまま覚えて演じる活動です。自発的な発話はありませんが、自然な言い方を学べるし、受け答えの間や音声面も学べるのでコミュニケーション力の養成に役立つとされています。なお似た概念に、学習者が数ターンの短い劇をするものもあり、こちらはスキット (skit)と呼ばれています。スキットの脚本を学生が書く場合もあります。
【解説】
『日本語教育のミカタ』 pp. 139-141