2020/01/20

037)平成30年度 試験I  問題3-C(14)解釈が特定できないケース

【こたえ】
 1

【解説】
 これも今までの説明とは関係なく、日本語クイズ的に解くことができます。
 正解は1の「いいよ」で、実際はイントネーションで肯定、否定いずれも取れるのですが、これは2通りの解釈ができます。
 オリジナルの文に補うとすると「うん、いいよ。山田さんも誘おうよ。」といった内容を短くした「いいよ」であれば肯定、「ええ、いいよぉ。山田さんはやめておこうよ。」といったことを短くした「いいよ」であれば否定になります。

 2は後件で「パーティーに来られる」以外の解釈はないので、特定可能です。
 3は、ここでは資料をお持ちください、という肯定の意味になります。ただし
ーもう少しお寿司、いかがですか?
ー結構です。おなかいっぱいなので。
 のように、否定にも用いられるので気をつけましょう。
 4も解釈が不特定になることはないですね。

 ここからは瑣末な議論なんですが、前の問題の続きで「いいよ」があらわす曖昧さが語彙的なのか構造的(統語的)なのかはちょっと考えるところがあります。これを一語の間投詞とみれば語彙的だし、イ形容詞「いい」に終助詞「よ」がついたと考えれば立派な2語文で統語的となります。認知言語学では単語と表現と文の間に明確な線引きはしないので、わたしは語彙的曖昧性と捉えたいところですが、大辞典でも間投詞としての「いいよ」は掲載がありません。

【参考】
日本語教育のスタートライン』 p. 307

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